原田和明
はらだ・かずあき
僕は山口市秋穂で、オートマタやゲームをつくっています。妻のめぐみとふたりで工房「二象舎」を営みながら、同じ敷地でミュージアム、コテージ、カフェも運営しています。
どうしてこんなに色々やっているのか、ここでお話しさせてください。
きっかけは、友人に勧められた一冊の本でした。日本のオートマタの第一人者、西田明夫さんの著作です。自分でもつくってみたくなって、会社勤めをしながら趣味としてオートマタ制作を始めました。
二年半ほど続けるうちに、これを仕事にしたいと思うようになりました。会社を辞め、渡英。マット・スミスさんのもとで一年学び、帰国して秋穂に工房を構えました。
帰国したばかりの頃は日本でオートマタで暮らしていけるのか不安な気持ちもありましたが、めずらしい仕事なので取材を受けることもあり、少しずつご注文がいただけるようになりました。クラフトフェアやギャラリーで作品を展示・受注販売するという活動を長く続けてきました。近年は、科学館など公共の施設から展示の依頼を受けて、それに向けて制作することが増えています。
2020年に東京で開催した個展で、オートマタに加えて、電子工作を使った射的ゲーム『ウイルススナイパー』とラジコンロボットゲーム『ちゃぶ台返し』を展示しました。オートマタでは、お客さんは作品と向き合いハンドルを回してクスッと笑う、という反応がほとんどです。ゲームではお客さん同士が勝った負けたで盛り上がります。その反応の違いが新鮮で、大きな手応えを感じ、それ以来、ゲームづくりも仕事のひとつになりました。
活動を続けるうちに、作品の数が増え、サイズも大きくなってきました。置き場所に困るようになり、倉庫が必要だと考えました。けれど、倉庫にしまい込むより、来てくれた人に楽しんでもらえる場所にしたい。そう思って建てたのが、ミュゼ・オートマトンです。
ミュゼを始めると、県外からも来てくださる方がいることがわかりました。けれど、この辺りには泊まれる場所が多くありません。自然の豊かなこの場所にコテージがあったらいいのではないか。そう思って建てたのが、ネスト・オートマトンです。
ミュゼも、ネストも、カフェも。単数形の「オートマトン」という名前には、オートマタ作家である僕たち夫婦が、そのすべてをひとつの作品として育てていく、という思いを込めています。
プロフィール
- 1974年 山口県光市生まれ
- 2002年 オートマタ制作を開始
- 2006-07年 マット・スミス氏に師事
- 2007年 University College Falmouth 大学院 Contemporary Crafts コース修了(英国)
- 2008年 山口市秋穂に工房「二象舎」を構える
展示・制作実績
- 2025 原田和明のオートマタと中原中也 中原中也記念館
- 2024 大解剖!からくりワールド 山口県立山口博物館
- 2023 ウーたんゲームス 佐賀県立宇宙科学館《ゆめぎんが》
- 2021 有馬で遊びまSHOW!原田和明展 有馬玩具博物館
- 2021 カラクリ博士の異常なゲーセン クリエイティブ・スペース赤れんが
- 2020 話せば短くなる B GALLERY(東京)
- 2019 カラクリ展 佐賀県立宇宙科学館
- 2018 Curious Contraptions エクスプロラトリアム(サンフランシスコ)
- 2015 オートマタの世界展 防府市青少年科学館 ソラール
- 2013 からくりワンダーランド アスピラート(山口)
- 2013 原田和明オートマタ展 動かして遊べるカラクリ 有馬玩具博物館
- 2013 からくりフェスティバル 浜田市世界こども美術館
- 2008 PhantasieMechanik phaeno Science Centre(ドイツ)